外食の筆頭にも挙げられることの多いラーメン屋は、その分、競争率の高い業種でもあります。中には行列の途切れないような超有名店もありますが、それは星の数ほどある店舗の中のわずか3~5%程度であるとも言われるほどです。開店をしたものの認知度を上げられず、集客に悩んでいる店舗も少なくありません。競争率が高いカテゴリーであるからこそ、「顧客が来るのを待つ」ではなくこちらから認知度の上昇を狙う攻めのマーケティングが必要となるのです。
ラーメン屋のマーケティング方法として、近年ではオーソドックスな手法である『ポスティング』が見直されるようになっています。ここではラーメン屋の宣伝におけるポスティングチラシの効果と、その成功事例についてご紹介していきましょう。
ラーメン屋のポスティング効果とは?
1)地元密着型の宣伝で長期リピーターを獲得
ラーメン店の集客では「地元顧客をいかに掴むか?」が重要になります。Web・SNSでいくら遠方の顧客にアピールをしたところで、一度訪れた顧客を「定期リピーター」にするのはかなり困難です。また遠方顧客はいわゆる「口コミ」の発信源であるインフルエンサーともなりづらいところがあります。長期的な経営を考える上では、地元住民の来店率を上げ、頻繁かつ定期的な来店を促していくことを考えていくべきでしょう。
配布エリアを細かく指定できるとポスティング型チラシでは、店舗周辺の地元住民への効率的なマーケティングが行なえます。また「小規模マンション」「一戸建て」といった配布建物の指定もできるため、「単身者層」「ファミリー層」といったターゲット層を絞った宣伝展開を行うことも可能です。
2)新規店舗の「認知度上昇」・既存店舗の「思い出し度」もアップ
2010年台に入り、ラーメン屋の店舗数は全国で52,000軒を突破しています。どのエリアにも競合店舗がある状態であるため、新規店舗を単に開店するだけではエリア内の未来顧客に対して「ここにラーメン店がある」という認知イメージを強く植え付けることが難しい状況です。また開店後半年~1年が経過した状態で足を向けていない店舗に対しては、地元住民でも興味が薄れていることがあります。
このような未来顧客の認知度の低さ・意識の薄れをカバーリングしてくれるのがポスティング型チラシです。特にマップを効果的に配したチラシの場合、チラシを目にした時点で「近所にラーメン屋ができた」「そういえば、あの店に行っていなかった」という意識を持たせることができます。
3)店舗イメージアップで女性客・ファミリー層の獲得
ラーメン屋の店舗内が見えづらい店舗構造であったり、2階・地下階等に店舗がある場合、特に女性客やファミリー層は「店の雰囲気がわからない」「入りづらい」と感じやすい傾向にあります。
ポスティングチラシ内に清潔感・カジュアルさ等をアピールした店舗内写真を効果的に配することで、このような未来顧客の不安を取り除き、来店へのハードルを低めることも可能です。
4)保存型チラシでデリバリーの選択肢上位へ
出前・デリバリーを行うラーメン屋の場合、「今日は出前を頼もう」と顧客が考えたその時に選択肢の上位に店舗が入ることが重要になります。この顧客が「どうしようか」と悩んだ時に選択のポイントとなるのが、「すぐに頼みたい/手間を省きたい」という点です。メニューが画像付きで列挙されたチラシが手元にあれば、このような出前選びでの選択肢上位に来る確率は飛躍的に上がります。
出前サービスのマーケティングを集中して行うのであれば、顧客が「このチラシは保存しておこう」と考えやすいカラー写真付きでメニューが列挙されたパンフレット型チラシを配布しておくと良いでしょう。
5)オマケ・クーポン付きチラシで保存率・家庭内拡散率を上昇
チラシの破棄度を下げ、長期保存率を上げてくれるのが「クーポン」や「オマケ」の存在です。一々切り取る必要の無いお札タイプのクーポンや、子供が喜ぶ飴等が付いていると、チラシを手に取った時に「とりあえず取っておこう」「とりあえず一読しよう」という選択が行われやすくなります。
また一定の期間が設けられたクーポンが付加されていることで「せっかくだから使ってみよう」という考えが生まれやすく、家庭内で店舗についての情報が拡散されやすい傾向も持つのです。ポスティングチラシは新聞折り込みチラシに比べてチラシタイプの自由度が高く、このような目を惹くクーポンやオマケ等も付帯させやすくなっています。
ラーメン屋のポスティングチラシによる成功事例
ラーメン屋A店は、新規開店時に徒歩来店が可能な近隣エリア全戸に向けて「開店チラシ」を10,000枚配布。この時点では店の認知度上昇を狙っているため、「マップ」及び「特別メニュー画像」を大きく配したデザインを行いました。
開店後の来店率・顧客層等をチェックした結果、週末のファミリー層の利用にやや弱さが見られたため、2回目のチラシ配布では「替え玉クーポン」を添付したチラシを週末に向けて配布。クーポン期限を1ヶ月とした結果、翌週末だけでなく2週間後・3週間後のクーポン利用率も高く、また1ヶ月後に更にクーポン展開を行ったところ、更に高い反響を得られました。
繰り返してチラシ販促が行われたことで、より認知度・好感度のアップに繋げられたわけですね。地元密着型の展開を行ったため口コミ拡散率も高く、狙っていたリピーターの獲得に成功しています。
おわりに
ラーメン店の宣伝を成功させるには、店の個性(ブランディング)を把握した上でのチラシ展開を行うことが重要です。ファミリー向け展開を狙うのか、こだわりの味をアピールするのか、デリバリーの便利さ・速さをアピールするのか…このような点を明確にした上でポスティングでアピールを繰り返すことで、顧客の潜在意識に店舗の良好なイメージを植え付けていきましょう。