2000年以降のデジカメ・スマホの急速な普及によって、写真屋・写真館等のカメラ業界は大激震とも言える時代を迎えるようになりました。フィルム現像の需要が激減したことで客足が途絶え、廃業をしてしまう店舗も珍しくないのが現状です。
しかしそんな変動の中でも確実に顧客を掴み、安定した経営に成功している写真屋・写真館も存在しています。集客に成功している写真屋・写真館の多くが力を入れているのが、ポスティングチラシによる地域への宣伝です。ポスティングチラシは、写真屋・写真館の集客にどのような影響をもたらしているのでしょうか?ここではポスティングによる集客効果と、販促にポスティングチラシを取り入れた店舗の成功事例について解説していきます。
写真屋・写真館の宣伝におけるポスティングチラシの集客効果とは?
1.専門店使用によるメリットの認知度を上げる
スマホやデジタルカメラ等の利用率はここ数年でうなぎ登りとなっています。しかし、それに反してデジタルデータを使いこなしている率はまだ低く、以下のような人が多いのが現状です。
【スマホ・デジタルカメラユーザーの傾向】
・撮影データを整理していない
・メモリカードやクラウドサービス等によるデータ保存対策をしていない
・MVNO・格安スマホ等への乗り換えによってデータ移し替えができない
・自宅プリンタ使用等のセルフプリントの劣化性を知らない
カンタンに言えば、「専門店でプリントをするメリット」を知らない人が多いというわけですね。「良い写真を長く保存しておきたい」「思い出をいつまでも取っておきたい」といった潜在的なニーズはあるものの、それらが「写真屋によるプリント」で解決できるということに気づいていない状態なのです。
写真屋がニーズを開拓していくためには、このような「メリットを知らない見込み客」に対して積極的なアウトバウンドマーケティングを行い、潜在化していたニーズを掘り起こしていく必要があります。
例えばポスティングチラシのキャッチコピーや画像で「画像データをプリントしておけば安心」「専門店のプリントの耐久性」といったメリットが大きくアピールされていれば、見込み客側には「撮ったままにしておくのはもったいない」という購買心理が生まれやすくなるわけです。
2.「手軽さ」でライトユーザー層を取り込む
近年ではコンビニのコピー機を使用したデジタルフォトプリントサービスや、インターネット申込によるフォトブック等の人気も徐々に上がっています。しかしこれらのサービスをフル活用できているのはデジタル機器利用者の一握りです。
特に高齢層やPC利用経験の無いスマホ単独ユーザーといったライトユーザー層の場合、「どのようにサービスを使ったらいいのかわからない」「メール添付やSNS掲載はできても、写真の大きさ等を指定されると戸惑う」といった理由からフォトブック・デジタルプリントサービス等のネット経由のサービス利用に尻込みする傾向が見られます。
しかし実店舗があり対面型のサービスが行える写真屋であれば、ライトユーザー層の不安は大きく解消されます。「初心者の人でも安心!」「設定や接続がわからなくても大丈夫」といったキャッチコピーがポスティングチラシに掲載されていたり、来店してからの手順がわかりやすくチラシ内で解説されていれば、見込み客側の写真現像への心理的ハードルはグッと低くなり、来店というアクションを起こしやすくなるのです。
3.イベント撮影時の選択肢筆頭となる
一生の思い出となるような記録については「プロの撮影技術を頼りたい」と考える人が多いものです。特に近年では少子化傾向によって子供関連の行事に対する両親・祖父母の出費額が上がっており、イベント撮影へのニーズも高まる傾向を見せています。
【子供関連イベント例】
・1才等の誕生日記念の家族写真
・10才(2分の1成人式)での家族記念写真
・入学式・入園式での家族記念撮影
・成人式撮影
しかし現在ではこれらのイベント撮影を専門的に手がける写真館も増加しているので、「黙っていれば消費者がやってくる」という受け身の姿勢では集客は見込めません。イベントに先駆けてファミリー層等に向けて集中的なポスティングを行い、早くから予約を獲得することが大切です。
「イベントの時にはここを使おう」と消費者に思われる要素としては、自宅からの近さが挙げられます。特に七五三やお宮参り関連等の小さな子どもを連れての撮影の場合、できるだけ近場で撮影を済ませようとするファミリー層が多い傾向です。
配布地域を細かく指定できるポスティングチラシであれば、実店舗に来やすい範囲に住む住民に特定した宣伝を行うこともできます。また国勢調査等から抽出したデータによって「小さな子どもが多い地域」等を割り出し、ターゲット層の多い地域に集中的にチラシ配布を行うことも可能です。早くからターゲット層に向けてチラシ販促を行い、イベント時の選択肢候補の筆頭となれば、売上を大きく伸ばすことも期待できます。
写真屋・写真館のポスティングチラシ販促成功事例
ターゲットを特定したチラシで売上アップ
写真屋A店は、今後のターゲット層をファミリー層に特定したポスティングチラシによるマーケティングを開始。ポスティングチラシには「お子さんの写真、そのままにしていませんか?」というキャッチコピーを大きく配置し、専門店での現像技術の高さや耐久性の良さを画像つきでわかりやすく解説しました。より効率的にターゲット層に宣伝メッセージが届くよう、店舗近隣地域の中でも小学生以下の子供が多い地域を割り出し、チラシを重点的に配布しています。
ポスティングチラシによる反応は早く、配布翌週からの問い合わせ・来店率は宣伝前の170%にまで上昇。写真プリントの需要が多いファミリー層をターゲットとしたことでリピーターも多く獲得でき、年間売上を大きく伸ばすことにも成功しています。
おわりに
ポスティングチラシによる集客を成功させるためには、専門店のメリットを視覚的に感じさせる「美しい画像のチラシ」を作ることも大切です。紙質やデザイン等にもこだわり、パッと見た消費者が魅力を感じられるようなチラシ作りを心がけましょう。