チラシで集客効果を出すには、何よりも「捨てられないチラシ」を意識することが大切です。チラシで宣伝を始めてみたけど、なかなか集客効果を感じない…そう感じている場合、もしかしたらそのチラシは読まれずに捨てられてしまっているかもしれません!
ポスティングでは住宅等の郵便受け(ポスト)にチラシが配られるため、郵便物との仕分け等を行うためにチラシ視認率は98%以上であるとも言われています。しかし多くの人はチラシに1秒~2秒だけ目を通しただけで「チラシをそれ以上読むか、読まないか」を無意識に判断してしまっているのです。
ではその1秒で「チラシを読もう」と思わせ、更に「このチラシは取っておこう」」と感じさせるにはどうしたら良いのでしょうか?今回は捨てられないチラシ作りのための9つの工夫をご紹介していきます。
1.チラシの画像を見直そう!
人間の脳は「文字情報」よりも「画像」を素早く認識し、分析することができます。文字だけの場合だと「文字を読む → 想像して感じる(考える)→ 購買欲求が生まれる」というステップが必要になりますが、画像の場合だと「画像を見て感じる → 購買欲求が生まれる」という段階の省略ができるわけです。いち早くチラシで読者の興味を引くには、写真やイラストといった「画像情報」が重要になるのですね。
とは言え読者は一枚一枚のチラシをじっくりと眺めるわけではありませんから、「ただの画像」を掲載しただけだとなかなか目に止めてくれません。サッと目を通しただけで「何のチラシか」がわかること、なおかつ「もっと読もう」と思わせることが大切です。では読者の興味を引く「インパクトのある画像)」は、どのように作ればよいのでしょうか。
【目にとまる画像のヒント】
・配置を大きくする
・動きを出す
・ツヤや光を強調する
・正面を向いた人間の笑顔を掲載する 等
例えば宅配ピザのチラシであれば、多くの種類のピザの画像を小さく並べておくよりも、「季節限定のピザ」1枚を大きく配置した方がインパクトが生まれますよね。
また、ただ丸いピザを平らに置いておくのではなく、カットされたピザのチーズを持ち上げて糸を引いている「動き」を出し、更にピザが湯気を立てている「動き」を見せれば、読者の「感覚(食欲)」を揺さぶることもできます。
読者がパッと見て感情を揺さぶられるような画像作り・画像配置を意識してみましょう。
2.チラシのキャッチコピーの位置を考えよう!
飲食店や美容院・自動車販売等のチラシの場合、上記のような「画像情報」は特に大きな集客要素となります。絵や写真を見ただけで、どんなチラシかがある程度判断できますし、商品の情報が画像だけである程度入手できるからです。
しかし例えば「弁護士事務所」や「健康食品」等ですと、写真だけではどんなチラシかの判断がつきかねますね。このような場合に読者の目が向くのは、チラシの文字情報である「コピー」です。
しかしキャッチコピーの「位置」が悪いと、読者はコピーに目を止めてくれません。
【キャッチコピーの位置】
・メインとなるコピーは「上部1/3以内」に入れる
・縦組の場合は「右側1/3以内」に入れる
・折りチラシの「折れ線」をまたがないように配置する
人間は横書きのチラシは「左上から右下へ」、縦書きのチラシは「右上から左下へ」と、アルファベットの「Z」を描くように目を動かして読む癖を持っています。
しかし最初に目をやる「左上」もしくは「右上」に目を引く文章が無いと、それ以上読むのをやめてしまうのです。また2つ折のチラシの場合、紙が折れている部分で文章が切れる・隠れてしまうのもNG。
片面だけでもメインとなるキャッチコピーが理解できるように文字配置することが大切です。
3.疑問系キャッチコピーを作ってみよう
メインとなるキャッチコピーでは、少ない文字数で読者の心を素早く掴むことが大切です。読者の目を引くひとつのテクニックとして、「疑問系」でコピーを作る方法が挙げられます。
【疑問型キャッチコピーの例】
・離婚したいと悩んでいませんか?
・ウエスト、そのままでいいの?
・エッ!?1ヶ月で体が変わるってホント?
疑問系で「~してみませんか?」「~していませんか?」と書いてあると、読者はチラシの店舗・企業に直接語りかけられたかのように感じます。無意識のうちに「はい/いいえ」という回答を思い浮かべたり、その先に興味を持ったりするのです。
またチラシ側が「驚き」の表現を疑問形で行うことで、読者も「それはホントなのかな?」と疑問を解消したいと感じ、続きを読もうとする心理が強くなります。
4.チラシの文字を大きくしてみよう!
チラシの文章内容に気を使っても、文字が小さいとなかなか読まれにくいですよね。パッと文字情報が目に飛び込んでくるように、文字のポイント数(文字の大きさ)を上げてみましょう。ただし全ての文字をやたらに大きくするのではNG!どこを読んでほしいのか、優先順位を付けていきます。
↑ 大
・顧客の興味を引くコピー(キャッチコピー)
・更に関心をふくらませるコピー(リードコピー)
・説明文が長い場合の段落タイトル
・商品説明文
・注意書き等の補助的説明文
↓ 小
またキャッチコピーの一文の中で、更に強くアピールしたい部分の「単語」の文字を大きくするのも手です。例えば前例の「離婚したいと悩んでいませんか?」であれば、「離婚」の2文字をググっと大きくするだけでもチラシにインパクトが生まれます。
5.「オトク感」をアピールしよう!
チラシの読者=消費者は、「トクをすること(自分の利益になること)」が大好きで、反対に「ソンをすること(自分の損失)」は大嫌いです。ごく当たり前の話のように見えますが、実はこの心理をしっかり理解するのとしないのでは、ポスティングチラシの集客率が大きく変わります。
消費者心理では、「トクをするチャンスを逃すこと」も大きな損失に感じられるものです。つまり「このチラシを読むとトクがありそうだぞ」と感じると、「このチラシを捨てるのはもったいない!」と判断しやすくなる=チラシが捨てられない状態、保管される状態になるのですね。
【オトク感をアピールするヒント】
・クーポンを付ける
・「チラシ持参で割引」「粗品進呈」等の特典をつける
・割引率の数字を大きく表示する(40%OFF、1,000円割引等)
・「飲み放題」「半額」「無料」「先着100名」等の文字を太字にする
・お得感のある単語を赤文字にする
・特典・サービスに限定性をもたせる
例えば「1日10名様限定半額!」と目立つ箇所に書いてあると、見込み客は「これはトクができそうだ!」と、ひとまずチラシの中身をしっかり読もうとするわけです。
6.「役立つチラシ」と感じさせよう!
読者の「チラシを持っておこう」と考える気持ちをそそるには、前述の「オトク感」が強い効果を持っているもの。でも業種やチラシのテーマによっては、上記のような「クーポン」や「割引」といった特典を持たせにくい場合もありますよね。
そんな時には、「チラシ自体」に価値を見出してもらいましょう。「チラシをとっておくと役に立ちそう」と消費者に思わせれば、家庭内にチラシを長く留めてもらいやすくなります。
・子どもが遊べる要素がある(塗り絵コーナー、すごろくコーナー等)
・料理のレシピが掲載されている
・節約のコツが掲載されている
・カレンダーになっている
・地域の店のマップが書いてある
・生活のマナーが書いてある
・暇つぶしになるコラムがある 等
上記の例のような「役立つ情報」と、宣伝元の製品・店舗・企業の関連性があると、更にチラシの印象が統一されるので更に理想的です。例えば葬儀会社であれば「意外と知らない葬儀のマナー」、英会話教室であれば「知っておきたいとっさの一言」といった具合ですね。
7.チラシの「形」で目立とう!
ポストの中に何枚ものチラシがどっさり…こんなときにチラシ一枚一枚をしっかり見るのはおっくうなもの。このような場合、見込み客(消費者)は、ひとまず「目立つチラシ」から優先的に目を向けやすい傾向があります。ポストの中からいち早く存在感をアピールするには、「一般的な形とは異なるチラシ」にしてみるのも手です。
一般的に「チラシ」というと、B5サイズ・A4サイズ等の両面印刷(もしくは片面印刷)のペラっとした一枚チラシを思い浮かべる人が多いですよね。特に新聞折込チラシの場合ですとサイズ・厚み等の料金規定が厳しいので、「一般的なチラシサイズ・形状」に留まっているケースがほとんどです。
しかしポスティングの場合、一口に「チラシ」と言っても様々な形状・スタイルのものを選ぶことができます。
【チラシの形状例】
・冊子型チラシ
・透明袋に入れたチラシ
・封筒に入れたタイプのチラシ
・ティッシュ・試供品等の付属品ありのチラシ
例えば外側の封筒に「お得なクーポンが入っています!」と書いてあれば、「どんなクーポンなんだろう?」と中身を確認してみたくなりますよね。ティッシュペーパーや試供品のような「おまけ」がついていれば、「とりあえずそのオマケが何なのかを確認しよう」「オマケだけでもチェックしたい」と思う人も多いことでしょう。
また資源ごみとしてチラシを破棄するには、透明の袋から一度チラシを取り出す必要があります。その際に中身をチラッと見て貰える確率も高まるわけです。
この他、封筒型・透明袋型・冊子型等のチラシには、高級感や特別感といったイメージを印象づける効果もあります。封筒に入れたメッセージは「店舗(企業)から顧客への個人的なメッセージ」といった親密感も出せますから、個人経営の美容院やネイルサロン等にも向いていますね。
8.「取っておきたい」と思わせよう!
宣伝したい製品・サービスの価格によっては、即日で「買おう・契約しよう」とならないことも多いもの。例えばカーシェアや学習塾といったサービスであれば、即日で決めずに家庭内でじっくり検討をしたい…という人がほとんどのはずです。
また宅配型の飲食店や季節性の強いサービスですと、「今すぐには必要無いな」と判断される可能性もありますね。このような「チラシを見てすぐに購買・契約アクションを起こすタイプではない」という検討型・長期型チラシの場合、チラシの「保管性の高さ」も重要になってきます。ここでいう「保管性」とは、「家庭の中で置いておきやすい」と判断されやすい形状・デザインを指します。
【保管性の高いチラシ例】
・紙質が厚くしっかりとしている
・パンフレット型/リーフレット型である
・冊子型である
・カラー刷りである
・情報量が多い 等
また社名や電話番号の入ったマグネットやステッカー等も、「保管性の高いチラシ」の一種です。例えば水道工事の電話番号が入った小さなマグネットならば、「水回りに貼っておいても邪魔にならないだろう」と考えてもらいやすいですよね。この他、社名やサービス名・電話番号が入ったボールペン・メモ帳等のノベルティグッズを付属させるのも手です。
9.「チラシのターゲット」を絞り込もう!
チラシの内容と読み手のマッチング性が高いほど、読者はチラシを熱心に読んでくれます。例えば以下のようなチラシがあったと考えてみましょう。
【A例】
● 東京都千代田区神田にお住まいの人は必見です!
● 梅田駅周辺にお住まいの方、知っておいてソンはありません!
もしも上記のような地域と自分の住所が近い場合、「これは読んでおこうかな?」という気になりませんか?これは「住所」という属性が読み手と強くマッチしているためですね。
【B例】
● 英語は「5歳まで」に始めるのがベストってホント?
今度は「年齢」という属性です。子ども向け英会話に「5歳まで」という区切りを付けたことで、「3歳~5歳頃」の子どもを持つご両親からは大きな注目を集めることができます。
【C例】
● 50代の女性が必要とする美の栄養素がタップリ!
今度は「年齢」と「性別」という属性を組み合わせました。「女性が必要とする栄養素」ですと年齢幅が広くなってしまいますが、「50代」と区切ることでターゲット層が絞り込まれ、マッチする世代に響きやすいキャッチコピーとなっています。ターゲットの属性には、その他にも様々なものがあります。
・自宅住所の地域
・年収
・家族構成
・年齢
・性別
・身長体重
・体質
・ライフスタイル 等
チラシを作る時、集客率を上げようとすると人はついつい「万人にウケよう」と考えてしまいがちです。しかし実際には、ターゲット層を絞り込んだ宣伝の方が反応率が良い傾向を見せることがわかっています。「誰に読んでほしいのか」「どんな顧客に買ってほしいのか」をよく考え、チラシを作り込んでいきましょう。
おわりに
捨てられないチラシを作る工夫はいかがでしたか?ひとつひとつは「ほんの小さな工夫」ですが、いくつかのデザイン・コピー等の工夫が組み合わされることでポスティングチラシの反応率は大きく変わっていきます。一度「作り手目線」から離れて「読み手目線」になり、チラシ作りを見直してみましょう。